令和6年度 桃李会総会および記念講演・祝賀会のご報告
2024年8月25日に長野保健医療大学桃李会主催の令和6年度桃李会総会および記念講演・祝賀会がホテルメトロポリタン長野で開催されました。
記念講演は、本講演と座談会の二部構成で行われました。本講演では、長野保健医療大学名誉教授の金井敏男先生に、「我々は何者か 何をするのか どう発達するのか」というテーマで講演していただきました。座談会では、本校の第一期卒業生である理学療法士の霜田環さん、第三期卒業生であり四徳学園桃李会前会長である作業療法士の齋藤靖之さん、そして金井敏男先生の3名で行われました。
第一部である講演のテーマは、フランス画家のポール・ゴーギャンが描いた絵画のタイトル「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」から取られているそうです。この言葉にはゴーギャンの抱いた人生観や死生観・世界観を指しているとの話から、冒頭から我々聴講者へ、金井先生から専門職としての価値判断を問いかけられているのではないかと感じ、私は身の引き締まる思いでした。
講演では、金井先生のいつもの歯切れのよい口調から当時の学生生活を思い出しつつ、あの頃に考えた将来の自分・理学療法士像に近づけているのだろうか、そんなことを考えながら聴いていました。職業倫理については、「理学療法士や作業療法士・看護師は医療の専門職であり技術者であり、よっぽどの覚悟を持って取り組まなければならない、人間の成熟とともに崇高な人間性と高度な技術水準を目指す努力と評価・対人関係の構築が重要である。自己啓発能力を高めなければならない」とお話にありました。この言葉から、改めて日々の仕事について振り返りつつ、頑張らないといけないんだと背中を押されたように感じました。
自分には、日々の繰り返される業務の中から仕事に慣れ、緊張感がどこか薄れ、自尊心ばかりが高まっていることがあるのではないかと感じます。仕事への慣れも緊張感の緩和も必要で大切なことですが、これは専門職として、技術職としての価値が高まった結果ばかりではないであろうと思います。「医療技術者の仕事は不幸な人たちの存在によって成立する」これはあるコマーシャルの中の言葉だそうですが改めて理解しなければならないと感じました。
当時の授業を思い出される金井先生がよく話されていた「哲学・アイデンティティ・信念・アーティシャンスピリッツ」などなど、今後の自分自身の価値判断を高めていくために、自分自身を見直す時間となりました。まずは、どんな些細なことでも自分自身に対し、患者に対し、行動化につなげていこうと思います。
第二部の座談会では4つのテーマを基にそれぞれの考えを聴かせていただくことができました。今までの生涯学習講座とは違った新しい取り組みとして行われました。様々な分野や領域で働く方々の生の声を聴くことができました。今回の記念講演では、これからまた働くにあたっての活力となったように思います。
以上、簡単ではありますが令和6年度桃李会記念講演の報告とさせていただきます。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。