令和3年度 夏の生涯学習講座のご報告
2021年8月28日に桃李会が主催する夏の生涯学習講座が開催されました。
今回は「うつ病に対する作業療法支援」をテーマに信州大学 医学部保健学科 作業療法専攻 田中佐千恵助教授にご講演いただきました。
今回の講座では、
①うつ病治療のガイドラインについて
②リワークプログラムについて
を中心にお話いただきました。
①うつ病治療のガイドラインについては、ガイドラインの作成に至った経緯やガイドラインの内容について詳しくご説明していただきました。急性期からリワークまで回復段階に合わせた作業療法士としての役割や、エビデンスに基づいた治療法をご紹介していただき、患者様個人の特性にあった治療選択の一助となるような貴重なお話を聞くことができました。
②リワークプログラムについては、田中佐千恵先生が現在取り組んでいらっしゃる支援の流れをお話していただきました。精神疾患の方は再発リスクが高く、就労や復職に至るまでに長期間の介入が必要になることが分かりました。
継続した就労を目指すためのプログラムには、患者様が自身を客観的に捉えられるように自己分析をするレポートを作成することや自分に合ったストレス対処法を見つけること、対人関係を見直す機会をつくることなど様々な方法があり、とても興味深いお話でした。
お話を聴いて、精神疾患は個別性が高く、患者様自身に合わせた支援や職場などの環境調整が重要だということを改めて理解することができました。
今回の講座を通して、普段他分野で勤務している私ですが、精神分野での作業療法の取り組みを深く理解することができました。また、精神疾患以外の身体疾患を抱えている患者様でも、患者様の特性を把握することや心理面のサポートすることはリハビリスタッフとして必要な役割だと思うので、患者様との向き合い方や支援の仕方について改めて考えるきっかけになり、今後に活かしていきたいと思いました。
以上、研修会のご報告とさせていただきます。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
以下の参加者アンケートも併せてご覧ください。
生涯学習講座 参加者・アンケート