令和6年度 春の生涯学習講座のご報告
2024年5月26日(日)、夏の生涯学習講座が開催されました。
今回のテーマは研究!!!
研究と聞くと『難しそう…よくわからない。』『私には関係ない。』と思いませんか?
でも『研究は難しくない!』と当講座の講師である須江先生が再三おっしゃっていたんです。
正直最初は『博士号を取得されていて…長野県理学療法士会研究推進部に所属されている…優秀な須江先生だから難しくないなんて言えるんだ…』と考えていました。でも、お話を聞いていく中でどんどん私の考えが変わっていきます。当講座の中で私が感じた内容をまとめていきたいと思います。『研究って難しそう…』と思っている方は、是非この文章だけでも読んでみて頂けると幸いです。
【臨床現場での研究活動への一歩:鹿教湯病院 理学療法士 須江慶太先生】
まず印象的だったのは、研究に触れるだけで良いということです。
しかも、必ず研究をしなければいけないという訳ではなく、まずは臨床で疑問に思ったことを文献で調べてみることから始めると良いのだと思いました。
現在は『医中誌WebやJ-STAGE』などの国内の文献サイトだけでなく『Google ScholarやPubMed』などの海外の文献サイトをGoogle翻訳などを通して簡単に読むことができます。読むと言っても全文を読む必要はないそうです。
まずはアブストラクト(要旨)を読んでみて、内容が気になれば結語や方法に移行していけば良いなど、文献の読み方も教えて頂きました。
自分に合った読み方を探してみるのも良いかもしれませんね。
しかも、10本も20本も文献を読むのではなく、キーとなる1本の文献をしっかり読んでみれば良いそうなんです。
自分が今疑問に思っている内容の文献を1本読んでみるだけで良いと聞くとちょっと気が楽になりませんか?
このように徐々に文献や研究に触れていくことで、論理的思考が学べたり、臨床での問題解決能力が上がったりと、メリットが多くあるように感じました。
そして、徐々に文献や研究に慣れてきたら、まずはハードルが低い症例報告や実践報告(病院・施設の取組みの報告)から行ってみることをオススメされていました。症例報告と聞くと『あんまり意味がないんじゃないか?』『もっとカッコイイ研究をしたい』と思う方がいるかもしれません。ただ、海馬や幻肢痛の存在は症例報告から発見されたそうなんです。そう聞くと症例報告もバカにできないですよね!
さらに、症例報告などを通して学会に参加することで、同じ志を持つ仲間に出会うことができたり、自分の能力を俯瞰して見ることができたりと、ここにも多くのメリットが存在すると感じました。
確かに経験年数が長ければ良い臨床家という訳ではないと思います。
臨床家にとって、学会や研究などを通して各方面で活躍されている方々と交流し、お互いに知識を高め合ったり刺激し合ったりすることは大切なことなのだと思います。
【最後に…】
当講座を受講して、私は今年度中に1つ学会発表をしてみようと決意しました!
みなさんも少しずつ研究に触れていくのは如何でしょうか?
まずは臨床で疑問に思ったことを文献サイトで調べてみる…
そんな形で第一歩を踏み出すことで、患者さんや利用者さんのために活躍するPT・OT・看護師に近づけるのだと思います。
当講座を通して多くの刺激を与えて下さった須江先生、この機会を作って下さった運営の方々、そして今回ご参加頂いたみなさん、本当にありがとうございました。
生涯学習講座も臨床家としてのレベルを上げる良い機会なのかもしれませんね。
次回の生涯学習講座もお楽しみに!!