令和3年度 冬の生涯学習講座のご報告
2022年2月13日、冬の生涯学習講座が開催されました。 今回の講座はリハビリテーション職だけでなく、保健・医療・福祉関係者など多職種の方にご参加いただきました。
今回のテーマ「高齢者のシーティングと褥瘡予防~評価と車椅子の選定、姿勢管理~」について鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院 訪問リハビリテーション科 理学療法士の古田大樹先生にご講演いただきました。
シーティングとは、椅子・車椅子を利用して生活する人を対象に、座位に関する評価と対応を行うことであり、対象者等と共有した目的を達成できる座位姿勢を実現することにより、二次的障害の予防、活動と参加の促進、心身機能・身体構造の改善を促すことです。
先生には骨の確認や皮膚の構造など基礎的な知識から実際に体を触りながら座位姿勢の違いを説明していただき、骨盤の前後傾をポイントとして座面への接触部位の変化や動きにくさ、嚥下・呼吸のし難さを感じる事で活動的な座位姿勢をより深く理解する事ができました。
私は回復期病棟で勤務をしています。未熟ながらモジュラー型車椅子やクッションを使用してのシーティングも行っていますが、自分の評価が正しく対象者に最適なシーティングができているのか、試行錯誤の日々で悩みはつきませんでした。今回は実際の対象者の方の実例を用いて具体的に先生が行ってきたシーティングを円背姿勢、斜め座り、膝が伸びないなどケース別に見せていただくことができ、今まで自分が行っていた事で正しい事もあり、また更に工夫できる箇所も見つかり、大変勉強になりました。
先生のご講演の中でも離床を目的としたものはシーティングではないと説明がありましたが、病院に勤務する中でこの差を埋めることが難しいと感じています。認知機能が低下しており危険行動がある、臥床傾向での廃用予防など離床目的にベッドから起こされる対象者は一定数います。活動の提供は行うものの先生の言う座らせきりになりかねないケースもある現状です。退院後の生活を見据え、対象者が離床した先で何をするのか、そのために病棟でどんな生活が必要なのか、多職種間で共通の認識を持って取り組む為には自分自身何をすればいいのか改めて考える機会になりました。
貴重なご講演をありがとうございました。今回の知識を日々の臨床へ生かしていきたいと思います。
以上、研修会のご報告とさせていただきます。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。