作業療法士の魅力・やりがい|リハビリでその人らしい生活を支える医療専門職

この記事では、作業療法士の仕事の魅力ややりがいを具体的なエピソードを交えながら紹介してきます。
中学生・高校生の方で「将来作業療法士になりたい」という方や、なんとなく「医療系の仕事に興味があるけど、どんな仕事があるんだろう」「将来、人の役に立てる職業に就きたい」「誰かの生活や人生を支える仕事に興味がある」という方で、その人らしい人生や生活を支える作業療法士の仕事の魅力ややりがいを知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで、作業療法士として長年病院に勤務し、現在は作業療法士を養成している大学で教員の声を参考に、高い専門性で幅広い活躍ができる作業療法士の魅力ややりがいについてお伝えしていきます。
作業療法士ってどんな仕事

ここでは、作業療法士のことがあまりわからないという方へ、作業療法士の仕事内容について簡単にお伝えします。
作業療法士の仕事内容は、怪我や病気、発達障害などで、日常生活における作業(ご飯を食べる、車の運転、服を着るなど)や仕事や趣味などができなくなってしまった方の体と心に働きかけて、作業を通して再びできるようにサポートする仕事です。
リハビリテーション専門職の中でも作業療法士は、体や心に障害がある方に、体だけでなく心からも治療を行うこで、その人らしい生き方の手助けができることが特徴です。
患者さんの「したい」「こうなりたい」ことを「できる」に変えること、病気や障害と共存しながらその人らしい生き方に近づけてあげることが作業療法士の仕事です。
また作業療法士になるためには、作業療法士を養成する学校を卒業し、国家試験を合格する必要があります。作業療法士になりたいという方はまず養成学校を調べてみましょう。
感謝される仕事|人の役に立てる作業療法士の魅力

作業療法士のやりがいの一つに、患者さんやご家族の方からの「ありがとう」などの感謝があります。
怪我や障害で不安になっている患者さんやご家族の方へ寄り添いリハビリテーションをサポートすることで「〇〇さんに担当してもらえたからリハビリを頑張れた。本当にありがとう」など直接感謝の言葉を伝えられると人の役に立っていると実感でき、仕事のモチベーションにもつながります。
「人の役に立ちたい」「誰かに喜ばれる仕事がしたい」「誰かの笑顔を見たい」という方にとって作業療法士の仕事は魅力的な仕事です。
できたを共有できる喜び・やりがい
作業療法士の魅力は、患者さんが怪我や病気などであきらめていたことができるようになった瞬間に立ち会えることです。
患者さんのできることが日に日に増え、笑顔になっていく姿や病気や障害と向き合いながらその人らしい生き方を叶えられる、リハビリで社会復帰ができたなど、患者さんの人生の岐路に立ち会える素敵な仕事です。
作業療法士は患者さんがその人らしい生き方を送れるように、一人ひとりの価値観や性格、趣味、生活環境を把握して、その人にあったリハビリを提案していきます。
〇作業療法士が行うリハビリテーションの一例
・事故で身体に障害をおった方へ、リハビリの計画と目標を立て、趣味のギターをもう一度弾きたいいう希望を叶えられた。
・脳梗塞で右半身に麻痺がある方へ、編み物など馴染みのあるものを使い機能の回復を行うことで、箸でご飯を食べれるようになった。
・認知症の方へ、昔からの趣味である園芸や料理などを通してできることを増やすことで、以前よりも笑顔が増えた。
・発達に課題のある子どもへ、遊びの中から身体の使い方を楽しみながら学ぶことで、一人で靴を履けるようになった。
一人ひとりに合わせたリハビリテーションを行うことで、患者さんのできることが増える喜びを共有できることが作業療法士のやりがいの一つです。
AIに仕事を奪われない医療専門職「作業療法士」

患者さん一人ひとりに合わせたリハビリテーションを行う作業療法士は、「AI」に仕事を奪われない医療専門職として有名です。
身体だけでなく、心にも寄り添う作業療法士の仕事では、患者さんとのコミュニケーションや人の気持ちや機微を察することが不可欠です。
体の機能の回復具合はもちろん、心の回復具合を見てリハビリテーションの計画を立てていきます。患者さんとの人と人との関わり合いが非常に大切なため、AIに代用されない職業と言われています。
AIに奪われない職業ではありますが、患者さんや働くスタッフのために、ITを駆使して業務効率化や自動化を進めていくことは重要です。IT化やDX化することで、労働環境の改善やより患者さんと向き合う時間を増やしより良いリハビリテーションを行うことは今後の世の中では必要不可欠です。
国家資格でもある作業療法士は生涯にわたり安心して仕事を続けられる職業です。
就職に困らない|幅広く活躍できるフィールド

活躍できる幅広いフィールド・就職先
作業療法士は、病院だけでなく介護施設や教育機関や行政機関など幅広いフィールドで必要とされる仕事です。医療や福祉、介護、教育、行政、企業、地域社会など様々な分野で就職・活躍ができます。
〇作業療法士が活躍する主なフィールド・就職先
医療機関・・・病院、精神科病院、クリニックなど
進学・・・・・大学院、研究機関、海外留学など
教育機関・・・特別支援学校、大学、作業療法士養成学校など
福祉介護・・・老人保健施設、地域包括ケアセンター、児童発達支援センターなど
行政機関・・・役所・役場、保健所、保健センターなど
就労支援・・・就労支援施設
企業・・・・・企業の研究部門、健康管理部門、スポーツ施設など
地域社会・・・訪問リハ、地域包括ケアセンター、デイケアセンターなど
司法・・・・・少年刑務所、刑務所
幅広い年代が対象となる作業療法士の仕事
高い専門性で必要とされる作業療法士。
対象となる方は子供から高齢者の方まで幅広い年代の方とかかわることができます。
対象となる方は就職先によって大きく変わることもあるため、就職する際に確認しておきましょう。
高齢者社会で必要とされる職業
今後高齢者社会が進む日本では、作業療法士が重要な役割を担います。
高齢者が住み慣れた地域の中で、生きがいを持ちながら自分らしい生き方ができるようにしていくために、身体と精神面からアプローチができる作業療法士がいっそう必要とされてきています。
チーム医療・専門職連携の魅力・やりがい

医療の現場では、一人で完結する仕事はほとんどありません。
作業療法士も医師や看護師、理学療法士などの専門職が一丸となり協働することで、対象者の生活や暮らしを考え、連携することで一人ではできない質の高いリハビリテーションを行うことができるのです。
また作業療法士は、福祉介護施設や地域社会との連携も非常に重要です。
チームとしてより多くの人と協力して、より質の高いリハビリテーションを行えることも作業療法士の魅力です。
また対象者の希望する回復ができ、自分らしさを取り戻し笑顔になる瞬間をチームで共有できるやりがいが専門職連携にはあります。
作業療法士の実際の声
実際に作業療法士として働いている方に魅力ややりがいを聞いてみました。
「作業療法でリハビリを行う際の道具(編み物など)に、季節を感じるモチーフを取り入れるなど工夫したことで、患者さんに作業療法の時間が楽しみと言ってもらえるようになり、やりがいを感じています」
「私は、病院に勤務していて、脳血管障害や骨折などの治療が終わった患者さんが入る回復期病棟で働いています。患者さんが退院後も生活しやすいように身体面の機能の回復を図るリハビリや精神面のサポートをしています。リハビリの期間は短い方で4週間、長い方で半年近くかかるため、患者さんが最初のころとは別人のように身体面の機能や精神面でも元気になる姿を見ることでできるのが作業療法士の魅力・やりがいです。
退院後も、外来で病院にいらしていただいた際に、リハビリ室に私の顔を見に来てくれ、「ありがとう」などの感謝の手紙をもらったり、声をかけてもらえると、私たち作業療法士の存在する意義を見出せたようで、とてもうれしく感じます」
作業療法士になるなら長野保健医療大学

長野保健医療大学では、国家資格の作業療法士を目指すことができます。
保健科学部・リハビリテーション学科・作業療法学専攻では、充実した実習を通して実践的に学びながら、幅広い場面で活躍できる作業療法士を育成しています。知識・技術とともに人間的魅力のある作業療法士の資質も磨き、地域に貢献できる有為な医療人を育成しています。
また看護師、保健師、理学療法士を養成する大学のため、実践的に専門職連携を学ぶことができます。
誰かの明日を支える学び
看護学部・看護学科
保健科学部・リハビリテーション学科
理学療法学専攻
作業療法学専攻
長野保健医療大学
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