理学療法士の可能性は
無限大だと思う。
JA長野厚生連 長野松代総合病院リハビリテーション部 田中 宏典 さん
理学療法学専攻1期生 (2019年3月卒)
現在は内部障害の患者さん、例えば糖尿病や肺炎を患った方の機能回復を主に担当しています。骨折などの外傷と違って目に見えず分かりづらいからこそ、患者さんへの説明は丁寧に。今どんな状態なのか情報をかみ砕いてお伝えすることを心がけています。
医師や看護師など多職種の連携も重要です。チーム医療の一員として、PTの視点から治療の方針について提案できることも多くあります。PTが関われる領域は想像よりずっと広く、可能性は無限大!今後もさらに広い知識を身に付け、患者さんに貢献できることを増やしていきたいです。
理学療法士は、院内でも患者さんと一対一で関わる時間が長い職業のひとつ。リハビリを行う20〜40分間は、患者さんの抱える本音を聞き出せる大切な時間です。例えば、「介護が難しいことは分かっているけれど、本当は家に帰りたい」―心を通わせていくと、そんな患者さんの「隠れた本音」に気づく瞬間があります。そんな想いをご家族につなぎ、患者さんに喜んでいただいた時のやりがいはひとしおです。
これからも患者さんに寄り添い続け、「どうすれば患者さんを『最善』の状態に導けるか」考え続けていきたいです。
勉強に苦手意識を持っていた私に向かって、恩師がつぶやいた「自分に甘くなっちゃダメだよ」という言葉が、今も心に残っています。就職して3年経ちましたが、先輩からのアドバイスを素直に受け止められなかった時や、知識や技術が足りなくて悔しい思いをした時には、先生の言葉を思い出し、「次こそは!!」と自分を奮い立たせています。
私にとって作業療法士の仕事は、患者さんの性格、人生、未来、そのすべてと向き合うもの。学校で得た学びや、日々の業務で培った経験を糧に、これからさらに成長していきたいです。
作業療法士によるリハビリの場合、最も大切なのは患者さんの「これができるようになりたい」という『思い』、患者さんの『やりたいこと』が出発点になります。リハビリによって機能回復を促すことはもちろんですが、それだけでなく日常生活の中であれば、道具を使って補ってもいいし、ご家族の協力を得ることだってできる。
無理だと決めつけずに、「どうしたら患者さんのやりたいことが実現できるか」を患者さんに寄り添いながら工夫して考え、できる方法を編み出すことがこの仕事の醍醐味だと感じています。