忘れません。
実習期間は、できるだけ
たくさんの
経験をしてください。
長野県立総合リハビリテーションセンター 青木 駿 さん
理学療法学専攻 (2021年3月卒)
長野県立総合リハビリテーションセンターで理学療法士として、治療が終わって回復期・慢性期と呼ばれる状態となった患者さんに対して、自宅や施設に生活の場を移すにあたってのストレッチや運動療法を用いたリハビリテーションを行っています。
当院は病気や事故等で脳や脊髄を損傷した患者さんが多くいらっしゃいます。病院と障がい者支援施設が併設されていて、まひや下肢障がいが残った場合の自動車運転の訓練などを受けることもできます。バイクやウインタースポーツでの事故で入院される同年代の患者さんも多く、「少しでも良くなってほしい」と願いながら日々治療にあたっています。
実習期間は毎日のレポートをこなし、日々いただくご指導を身にしようと必死で、正直大変でした。ただ、実習で学んだことは、本当に忘れません。国家試験で問題を解きながら「こんな症状の患者さんがいたな」と頭に浮かんでくるくらい印象強く、勉強になりました。実際の患者さんと触れ合える貴重な実習期間は、失敗を恐れず、できるだけたくさんの経験を積むことをおすすめします。
「この行為は本当に患者さんのためになるのか」をしっかり考えるようにしています。例えば廊下で転んでいる人がいても、よほど危険な状況でない限り、自分の力で起き上がるまで見守る-それがリハビリ職員の役目だと思っています。
人間としては「困っている人がいたらすぐに手を差し伸べる自分」でありたいと思いますが、医療人としては「患者さんの潜在的な力を信じて、できることをもっと増やせるような手助けができる自分」でありたいです。
いろんな経験をしてみることをおすすめします。私は21歳まで書道を続けて指導者の資格も持っているのですが、患者さんとの話題のネタにもなりますし「やっていて良かった」と思うことが多くあります。その他にも地元のお祭りに参加してお年寄りとしゃべってみたり、アルバイトを掛け持ちしてみたり-。経験はすべて将来の糧になると思います。
厚生連の松代病院で、作業療法士として働いています。骨折や脳血管障害などの治療が終わった患者さんが入る「回復期病棟」で、退院後も生活しやすいよう身体機能の回復を図るリハビリをしたり、精神面のサポートをします。また、ご自宅にうかがって患者さんの身体に合った環境の提案や、デイサービスやデイケアといった通いの場を提案することもあります。
リハビリ期間が短い患者さんで4週間ほど、長い患者さんだと半年近く関わります。これまで、最初の頃とは別人のように元気になる患者さんをたくさん見てきました。退院後、外来で来院された際にリハビリ室に顔を出してくれたり、「ありがとう」という手紙をもらったりすると、私たちが存在する意義を見い出せたようで、とても嬉しく思います。
リハビリを通じて「その人らしい生活」を送ることができるようサポートし、生きる活力を引き出していくのが我々の仕事。患者さんの背景にある社会的な事情まで観察し、「目の前の患者さんに対して何ができるか」を常に考えながら業務に取り組んでいます。
入学される皆さんには、作業療法士の「役割」や「価値」、「使命」を事前にしっかり理解しておくことをおすすめします。入学後の理解速度がきっと速まります。
「自分の時間をいかに勉強に使うか」ということを常に考えていました。音楽を聞きながらの勉強は自分には向いていなかったので、勉強場所は静かでモチベーションの上がる「図書館」。自宅では「気が散るものをとにかく隠す」など、自分に合った学習環境を整えました。
おすすめの勉強方法は、問題集の解答に対して「なぜ正解なのか」「なぜ不正解なのか」を徹底的に調べること。間違った解答からも余すことなく学ぶのがポイントです。
高校時代に一番身につけておくべきなのは、「勉強に向かう姿勢」だと思います。大学に入学した直後は、毎日の勉強量の多さにびっくりするかもしれません。まずは毎日の授業を聞く姿勢から意識してみてください。
また、学生時代から、就職した現在も「情報を文章にまとめて共有する」機会が多くあります。普段から本や新聞を読んで語彙力をつけたり、日記等を書いて文章作成に慣れておくと、かなり役立つと思います。
私はとても楽しかったです!授業で習ってきたバラバラの知識が、実際に患者さんとふれ合う中でどんどんつながっていく感覚でした。例えば退院を前にした患者さんについて、ご本人の症状のことはもちろん、退院後の住環境、またご家族にどんなサポートができるのか?などと多角的に考えをめぐらせることで知識が立体的につながり、理解がさらに深まることを感じました。
私は長野赤十字病院(就職先)で実習させていただいたのですが、同病院出身の先生がサポートで病棟に入ってくださったので、とても心強かったです。病棟が忙しくて看護師さんに質問できないときに答えていただいたり、看護師さんとのやりとりの間に入っていただいたりと、たくさん助けていただいたおかげで、実習に集中できました。
実習でもお世話になった日赤出身の先生や、普段から仲の良い先生に、たくさん相談しました。履歴書の書き方から自己分析、面接練習などに協力していただいて、すごく助かりました。先生との距離が近く、困ったときに相談しやすいのはこの大学の大きな魅力だと思います。
3年次の3月からは毎日、国家試験対策で「看護師の問題10問・保健師の問題10問」を自分に課しました。忙しい日には大学から支給された問題集アプリで10~20分、時間があるときはじっくり2時間、問題集を解きました。おかげで本番では「見たことない・知らない」問題や事例がほとんどなかったです。
大学が開いてくれる模擬試験もためになりました。国試直前は週に1回程度と回数も増え、短いスパンで力試しができる環境がありがたかったです
「社会人としてのマナー」はすごく大切になると思います。挨拶や礼儀、報・連・相をしっかりするなどはもちろん、「どんなタイミングで話しかければ迷惑にならないか?」「どんな伝え方をすれば相手は分かりやすいか?」など、相手の気持ちを汲み取った、思いやりのあるコミュニケーションが取れると、人間関係が上手く行きやすくなるのではないでしょうか。高校生のうちから周りの大人を観察してみたり、ボランティアやアルバイトでたくさんの人に会ってみたりと、コミュニケーション力を磨いておくことをおすすめします。
大学の在学中に「IPW(多職種連携)」を学べたのは非常に大きな経験でした。「別分野を学んでいる人たちとの関わり」は、課題の解決やケアを考える上でもとても大切なことだと思います。うまく連携できなくても自分の伝え方や理解度に課題が見つかるので、どちらにしても得るものの多かった授業でした。
自分の得意・不得意や、看護における課題を見つける気持ちで取り組みました。「現場で新しいことを習得する」というより、「自分が施すケアは、本当に患者さんのためになっているのか」をテストするようなイメージです。在学中にたくさんの実践の機会をいただき、本当にありがたかったです。
実習は、プレッシャーや不安も大きいと思いますが、「学ぶ姿勢」と「相手のニーズを汲み取る姿勢」に集中すれば、あまり気にならなくなると思います。せっかくの機会なので、たくさんのことを吸収してほしいです。
とにかく「患者さんの望み」を大切にした看護をしたいと考えています。私たちの仕事は、患者さんが元の生活・希望の生活を送ることができるようサポートすること。実習でもずっとそれ意識してきたことですし、きっと、ずっと大切にしていく指針だろうと思います。この先、「今の望みを叶えるか、治療を優先するか、本当に患者さんのためになるのはどちらだろう…」など迷う場面も出てくるかと思います。そんな時に知識と技術があればたくさんの選択肢が持てると思いますし、諦めていたことができるようになったら患者さんも嬉しいと思います。そんな看護を提供できるよう、常に自己研鑽に励みたいです。
高校生のうちから「自分に合った勉強方法」は見つけておいた方が良いと思います。なぜなら、「大学生活を充実させて楽しんでほしいから」。
私は勉強に注力しすぎて、友人と遊ぶ時間をないがしろにしてしまったことを少し後悔しています。「こうやって勉強すれば覚えやすいな」というやり方があれば楽しく勉強もできるし、時間をつくれば友人との思い出もつくれるし、一石二鳥です。